学 習 院
学習院の素晴らしいところ 学習院長 田島義博 私と音楽部 学習院輔仁会音楽部OB会会長 清水 昭

学習院広報 平成15年7月1日発行第70号より抜粋

学習院の素晴らしいところ

 学校を選ぶということは、親にとっても本人にとっても、たいへん大きい問題です。国立大学の独立行政法人化が進んだり、高等教育の重心が大学院に移ったりする中で、これまでの国立一辺倒や旧い学歴主義は影をひそめながら、学校の選択は多様化していくと思います。これからは大学受験者や家族(中等教育、初等教育、幼児保育の場合)の多様な価値観に合致した学校が選ばれることになりましょう。学校の側も座して受験生を待つというのではなく、自分の価値を積極的に社会に訴える活動、場合によっては自分の価値を発掘したり創造したりする、単なる宣伝とはちがった広報活動が重要になりつつあります。


学習院長 田島 義博

 学習院大学(目白)は人文科学・自然科学・社会科学の各分野にわたって4学部17学科と、6つの研究科(博士前期・後期)を有していますが、専門職大学院として法科大学院を準備中です。国際的に著名な教授陣が最大の価値ですが、教育環境も他大学の追随を許しません。入学から卒業まで目白のキャンパスで過ごせます。学習院女子大学も新宿区戸山のキャンパスで4年間を過ごし ます。ちなみに目白キャンパスは約20万平米で武蔵野の植生が残っています。旧い校舎を建て直したり、改装したりして、情報数育に対応する一方で、緑化をさらに進めています。戸山(女子大と女子中等科・高等科)と四谷(初等科)においても、自然と人間の共生は学習院が大切にしている価値の一つです。
 学習院は京都時代から数えると156年目になりますが、昨年は天皇・皇后両陛下をお迎えして、東京での125年を祝いました。日本で最も伝統的な学校というのも学習院の誇る価値ですが、「ウソをつかない」、「友達の足を引っ張らない」、「自分のことより他人のことを先に考える」など、学習院全体に流れる倫理的学風も学習院の価値です。学習院卒の政治家や官僚、経営者は身辺が清潔だと言われますが、これも学風の現れでしょう。産業人でもベンチャーから大をなした人が多く、文化人でも創造性に富む人が多いのも学風だと思います。女性で活躍している人が多いのにお気づきでしょうか。そんな学風に着目して、価値を共有できる方々に学習院を選んでほしいと、真剣に願っております。

私と音楽部 ・・・子どもから大人迄、世代を超えた喜び・・・

 私は中等科1年の時に音楽部に入り、今日に至る迄、実に63年間バイオリンを弾いてオーケストラに参加しております。音楽部は今年で創立80周年を迎えますが、戦後、大学が新設され、私学として発足してからは学生の人数も増え、コーラスも盛況を極め、初等科にもオーケストラが誕生し、各科の音楽部活動が盛んになりました。
 今年で17回目を数える「オール学習院の集い」が発足した頃は、学習院本部も、初めは「花見の集い」というタイトルで何となく遠慮がちな催しでしたが、卒業生を始めとする桜友会、常磐会、父母会の強力なバックアップもあって、この際一貫教育の学習院をアッピールしようという事から、音楽部がその先陣を承ることになりました。その頃、高川先生を始めとする初等科の先生方のおかげで、初等科からはオーケストラとコーラスに出演してもらい、これに各科の音楽部と、大学、短大のオーケストラとコーラスが加わって合同演奏会を開くことができました。年々この会は盛会となり、幼稚園も「おうた」を御披露し、男子女子の中高等科有志による「ジュニアオーケストラ」も参加して、文字通り一貫教育学習院の音楽部ならではの大合同演奏会が出現したわけであります。アンコールには出演部員全員実に四百名を超すメンバーで、エルガーの「威風堂々」とシュトラウスの「ラデッキ一行進曲」を演奏して御来聴各位の絶賛を得ることが出来ました。年一回のこの会も「オール学習院の集い」と改称され、音楽部は幼稚園から超OBの先輩迄、世代を超えたアンサンブルの喜びを聴衆の皆様と共に味わうことになりました。
 初等科やジュニアオーケストラやブラスバンドも、先輩達が指導に協力し、大学とOBも密接なコンタクトのもとにそれぞれ年2回の定期演奏会をもって活動しておりますが、卒業したての若者から80歳を超える先輩迄が、同じメンバーとして演奏出来るというしあわせは、音楽部の一貫性の賜ものだと思います。同窓同趣味の集団ですから団員同士の結婚も毎年数組にのぼり、そのお子様方がまた、学習院に入学し音楽部に入るという具合で、祖父母、父母、子供と三代に亘って一つのステージで演奏するという場面も学習院ならではのことでしょう。
 先輩の中には皇太子殿下もオーケストラの一員として参加なさっていらっしゃいます。大学時代からオーケストラでビオラを演奏なさってきた殿下と今なおご一緒していただけることは部員としてこの上なく光栄なことと思います。また今なお音楽部を支え続けて下さっている名誉教授の林先生を始め、戦後の音楽部を見事に復興させた元専務理事の宮地襄二先輩や、近衛秀麿、有坂愛彦、山田一雄、前田幸市郎、岩城宏之、福田一雄さん等の著名な指揮者や大勢のソリストを含む一流の音楽家の諸先輩がおられることも私共音楽部の誇りであり喜びであります。
 母校学習院の発展と共に、音楽部がその一貫性を発揮して、今後とも生徒諸君とOBが手を携えて益々発展してゆくことを願ってやみません。